2008年12月15日月曜日

ビールの起源って?

今から約五千年、チグリス川とユーフラテス川の間に発祥したメソポタミア文明のシュメール人によつて「シカル」と呼ばれるビールが作られていた。「シカル」には大麦のほか、エンマー(エンマル)という小麦が原料として使われていた。

15世紀、南ドイツで編み出された「下面発酵」は、ホップを使った画期的な醸造法で、現在のビール製法の主流になっている。下面発酵とは、0~5℃の低い温度でじっくりと長時間をかけて発酵熟成させるものである。雑菌の繁殖を防ぐというホップの作用によって、熟成期間を置くことが可能になったのだ。低温発酵では酵母は樽の下の方に沈むため、低温が維持できる冬期はとくに品質が安定して、ビールの味がまろやかになる。夏場はそれまでのビールづくり同様、上面発酵と呼ばれる酵母が上面にうきあがった状態で行われていたが、やがて政府によってビールづくりは9月から4月までに限定され、下面発酵だけで醸造するようにという法律までつくられた。

上面発酵も下面発酵も課題は長期保存であった。これは19世紀、狂犬病の予防接種で知られるフランス人 ルイ・パスツールが酵母の仕組みを解明して50℃で15分過熱する殺菌法「低温殺菌法」(パストリゼーション)を発明したことにより解決した。雑菌の繁殖を防ぎ、長期間の品質保存、遠距離輸送が可能となりビール市場の拡大につながった。さらに1873年には、ドイツ人 カール・フォン・リンデが「アンモニア冷凍機」を発明し四季を通して下面発酵ビールの醸造が可能になった。カールスバーグの科学者エミール・ハンセンは、「純粋酵母培養法」に成功。酵母菌が酸素に作用することから、良質の酵母だけの純粋培養が可能となり、高品質のビールがつくられるようになったそうです。

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